痔でお悩みの患者様へ

ジオン注という注射剤で、脱出を伴う内痔核(排便時に出る、あるいは普段から

出たままになっているような『いぼ痔』)に対して、注射による治療が可能です。

              

 

@ 痔核(いぼ痔)とはどんな病気でしょうか?

 肛門周辺の粘膜の下には、血管が集まって肛門を閉じる働きをするクッショ ンのような部分

 があります。肛門への負担が重なると、クッションを支える組 織(支持組織)が引き伸ばされ、

 クッション部分が大きくなり、出血したり肛門 の外に出たりするようになります。

 これが痔核(いぼ痔)です。

 痔核には、直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。

 また内痔核が大きくなって脱出するようになると肛門側の痔核、つまり外痔核を伴って内外痔核という

 状態になることもあります。

 

A ジオン注による治療法とはどんなものでしょうか?

 「脱出を伴う内痔核」にジオン注を投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に

 癒着・固定させる治療法です。

 

痔核を切り取る手術と違って、痔核の痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」

 「傷口が痛む」というようなことはなく、入院期間の短縮も期待できます。

B ジオン注とはどんな薬でしょうか?

 ジオン注の有効成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸というものです。

   ・硫酸アルミニウムカリウム …出血症状や脱出症状を改善する

   ・タンニン酸 …硫酸アルミニウムカリウムの働きを調整する

     

 

C どのようにジオン注を投与するのでしょうか?

 ジオン注を投与する前に肛門周囲への麻酔か、下半身にだけ効く麻酔を行い肛門周囲の筋肉を

 緩め注射しやすくします。

 麻酔法については医師にご確認下さい。

 

 ジオン注はひとつの痔核に対して図のように4ヶ所に分割して投与します。

 これは痔核に薬液を十分に浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。

 複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。投与後しばらく点滴を続け、麻酔の影響がな

 くなるまで安静にする必要があります。

 

D ジオン注を投与するとどうなるのでしょうか?
投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り、出血が止まります。

脱出の程度も軽くなります。

                 ↓
投与した部分が次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織が元の位置

に癒着・固定して、脱出がみられなくなります(1週間〜1ヶ月)

 

                      出血がみられなくなります

                 脱出や肛門のまわりの腫れがなくなります

 

E ジオン注の投与後の経過は?

入院期間および通院期間は、処置した痔核の数や大きさなども含めて患者様の状態により異なります。

排便はいつから−

・ 排便は翌日から可能です。

・ 痛みをこわがって我慢しないようにしましょう。

ふだんと違った症状があったら、

担当の医師に相談してください。

 

副作用などに対する処置が必要になった場合には、

状況によって、お薬(炎症を抑えるための抗生物質や

消炎鎮痛剤、あるいは便を柔らかくするための緩下

剤)の投与、坐浴、手術を行うことがあります。

仕事復帰は−

・ 数日間はできるだけ安静にしましょう。

・ 「力仕事」「冷え」「長時間の同じ姿勢」を避けましょう。

 

F 日常生活で注意すべきことはなんでしょうか?

治療後も以前と同じように肛門に炎症をおこすような生活を続けていると新しい痔が出来てしまいます。

再び痔にならないためにおしりに負担のかかる生活を改めることがなによりも大切です。

規則正しい排便習慣を身につけましょう

 便通を整えるために食物繊維や水分を摂る

・ 便意があったらトイレに行く 我慢しない

 トイレに長居をしない いきむのは3分以内 無理に出しきろうとしない

 下痢を防ぐためにアルコール類、香辛料などは控える

 腸の働きをよくするために適度な運動をする

 便秘の原因になる無理なダイエットはしない

おしりを清潔にしましょう

 坐浴をおこなう、あるいは温水洗浄式便座を使う

                 ⇒水圧は弱め 温度に注意 刺激し過ぎない

 洗った後に、おしりをよく乾かす

  ⇒乾燥機能が無い場合は、清潔なタオルなどで軽くおさえるようにします

 お風呂に入って血行をよくする
おしりへの負担を減らしましょう

 長時間、同じ姿勢をとり続けない

 過労やストレスを避ける

 体を冷やさない